定期便

柿ラボが生んだ調味料「柿びしお」

日本食文化会議「ぎふベジ研究所」柿ラボチーム

2022.11.10

岐阜が誇る富有柿をもっと料理に使いたい。せっかくなら流通にのりにくい規格外の柿を活用して、保存がきく調味料を作れないだろうか。柿の特性を最大限に生かして柿ラボチームが作り上げたのが「柿びしお」です。製造現場では何度も試作を重ねて完成。11月3日に発売されました。柿ラボでいかにして柿びしおが生まれたか、そしておすすめの活用法をご紹介します。

大量に出る規格外の柿を活用したい!

柿を料理にどう使う? 始まりは、そんなお題でした。焼き柿、柿の和えもの、柿のソテーなどが思い浮かぶも、もっと新しい食べ方を提案したいと、柿ラボのメンバーで柿の特性を見直してみました。

岐阜を代表する特産品、富有柿。

デメリットを逆手に取り、メリットを生かすことを考えてみると、
・熟す前の甘味ののってない柿は「糠漬け」に
・多少甘さが足りない柿は「みりん洗い」
・甘く歯ごたえのある柿は「生ハムと合わせてオードブル」に
・甘味がのっている柿は「醤油洗いで鰹節をかけて」
・熟した柿は牛乳を合わせて「柿プリン」に
・熟した柿は「きなこをかけて」もおいしい
・柿は魚介との相性がよい
・柿はチーズとの相性がよい
・柿はチョコレートとの相性がよい
など、次々にアイデアが出てきました。

その上で、岐阜県内でおそらく大量にあるであろう規格外の柿を利用できないかと発展。柿はアミノ酸も多く、甘味料として煮込みにも使用できます。みりんの代わりになるくらいの旨味と甘味を持っているので、この特性を生かし、調味料を作ることを考えました。

そうして完成したのが「柿びしお」です。ヘタと種を取っただけの柿。皮もそのまま利用します。柿をミキサーにかけ、生麹、たまり醤油、みりん、砂糖を混ぜて炊き上げるだけです。企画外の柿を利用できる上に、長期保存も可能。岐阜土産にもぴったりの、まったく新しい調味料が誕生しました。

旨味と甘味をあわせ持つ
柿びしおの使い方

柿びしおの試食会にて、どんな料理や食材と相性がよいかを探求。意外なところではバスクチーズケーキにも合う(撮影:柿ラボ)。

柿びしおは、まずはご飯にのせたり、焼きおにぎりにつけてみてください。原料に麹と醤油を使っているのでご飯との相性は抜群です。また、シンプルに生キャベツやスティック野菜につけたり、ヒジキとミックスビーンズなどの和えものにもいけます。ナスのしのぎ焼きや、豆腐などの田楽味噌に代えて使えばフルーツの甘味でほっこり。炒めものにも重宝です。鮭のちゃんちゃん焼きや、豚キャベツ炒めなどは、味噌やみりんの代わりに柿びしおで調味を。ナッツ&鶏肉と炒め合わせても爽やかなコクが出ます。

まずは炊き立てのご飯のお供にぜひ!

豚肉とキャベツ、ピーマンを炒め合わせた回鍋肉(ホイコーロー)風。メインの味付けを柿びしおで。

和食や中華料理だけでなく、フランス料理や洋食にも使えます。そもそもフランスではフルーツと料理の組み合わせが多いのです。柿びしおは麹が醸す奥深い甘みがあるので、パテ・ド・カンパーニュやリエット、フォワグラのテリーヌと一緒にいただくのも、とても美味。ちょうど、チャツネのようなイメージです。

柿びしおをパテ・ド・カンカーニュに添えて。

柿びしおは乳製品とも相性がよいので、クリームチーズや、サワークリームに混ぜるのもおすすめ。軽くトーストしたスライスバゲットにぬって、生ハムなどを添えれば、簡単でおしゃれなおつまみにもなります。これを粉ふき芋と和えても1品のでき上がりです。

クリームチーズと柿びしおを混ぜ合わせてディップに。

また、チキンソテーやポークソテー、ステーキといったメインディッシュのソースとしても大活躍。そのままでもいいし、キノコやインゲンなどと炒め合わせれば、ソースを兼ねた付け合わせにもなります。

料理のジャンルを問わない柿びしおは、日本の岐阜が生んだ、まさに万能調味料。ぜひいろいろと試してみてください。

柿びしお(100g) 702円

販売:社会福祉法人いぶき福祉会第二いぶき
TEL.058-229-6464
「えんがわmarche」にてご購入いただけます。
https://ibuki-engawa.com/

撮影:板野賢治

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